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  • 2015 6 May

    Director's Report 2 -寺子屋かぐれLife vol.1 後編-

    先日行われた、かぐれ表参道店の今年の新企画、
    寺子屋かぐれ Life」の第一回目、稲葉俊郎先生による3ヶ月連続講座のレポート第2弾です。
    前半はこちら → (click!


    さっそく続けます。
    レジュメの冒頭、導入に

    あらゆるものには両面性があり中性的。価値づけをするのは「わたし」。

    と書かれています。

    すべての物事には、いい面も悪い面もあって、両方を見ることが大切。
    それは「生」に対しての「死」もそうです。
    死があるからこそ生が循環していて、それは切り離されるものではないということ。

    それらを村上春樹やミヒャエル・エンデから、
    エリザベス・キューブラー・ロスとヴィトゲンシュタインの言葉まで引用して語るところが
    稲葉先生らしいところです。

    寺子屋


    ■真・善・美

    長らく哲学や宗教でも語られてきていますが、
    人生のなかの大切なことに「真・善・美」があります。

    「真」とはほんとうのこと、「善」はよいこと、「美」は美しいこと。

    どれも大切なことですが、気をつけなくてはならないのが、
    「真」と「善」は自分の信念にとらわれて、正義として主張されやすいということです。
    この時、二元論に陥って他を攻撃してしまうこともあります。

    それに対し、ただ「美しいこと」である「美」には、そんな性質はありません。
    偏った信念の暴走を止め、調和をはかってくれる役割も持ちます。

    だから、美しいもの、例えばアートもファッションもとても大切な要素で、
    美しい環境にいると争いもなくなると思う、と先生は語ります。

    さらに、日本では歴史を遡ってもずっと、
    日本固有のものと、新しく産まれた様々な思想とを混ぜ合わせて採用していく傾向があります。

    宗教をとっても、思想も文化もそうで、その思考は「調和」である。
    つまり日本は「美」の国であって、それが日本文化の真髄である、と言えるそうです。


    ■日本人の「あの世」観

    日本では、古来より「あの世」が永遠のものであり、
    現世の「この世」は「あの世」を映す一時的なものであると考えていました。
    アイヌや沖縄の儀式にもそれが強く残っています。
    魂はその間を行き来し、生と死を繰り返すという世界観です。

    古事記(先生は「こじき」でなくて「ふることふみ」、と訓読みをされます)の中にも、
    イザナミが「お前の国の人間を1日1000人殺してやる」と言うと、
    イザナギが「それならば私は、1日1500人の産屋を建てよう」と言い返し、
    これも生と死を繰り返すという世界観の表れだそうです。

    仏教の中でも、死者は「ホトケ」となってあの世へいくとされます。
    日本では「草木国土悉皆仏性」といって森羅万象すべてが「仏」になりうるという考え方をし、
    すべての人が神聖なものとつながっていると捉えています。

    寺子屋


    ここで、少し先生自身の体験が語られました。
    頻繁に質問をされる、医師という職業を選んだ理由について、
    振り返ってよく考えてみたら、確実な記憶を思い出したそうです。

    それは2〜3歳の時、からだが小さく痩せて病弱だった幼少期、
    ついに全身の粘膜がウイルスに感染して、小児病棟に入院したときのこと。
    食事もできず、チューブから栄養を採る経管栄養で、ほぼ寝たきりの1年間だったそうです。

    しかし、まだ小さい稲葉少年は、自分の状態以外を知らないわけですから、
    寝たきりの自分にもなにも疑問を感じず、自分なりに幸せだったと言います。

    でもある時、看護師さんが
    「あの子はとてもかわいそう」と話しているのを聞いたことが転機となります。

    聞いてから一晩、ずっと悩んだことを良く覚えているそうです。
    それまで自分はかわいそうだと思っていなかったのに、他の人はそう言っている。
    むしろ、かわいそうな人間として振る舞った方が、
    みんなに喜ばれるのではないか?とも考えたと言います。

    しかし思い悩んだ結果、やはり自分には何も不自由もないし、良いも悪いもない。
    誰からもかわいそうだと思われたくないし、実際に「そうではないと決めた」のだそうです。
    そこで、ちょっと間違ったら洗脳された可能性もあったと先生は言います。

    それから、もう一つ。
    この時に、圧倒的な愛を体験したのだそうです。
    小児病棟の病室で、まわりの子どもたちが入れ替わっていくのを見て、
    それは死んでいっているのだということに気づいていたし、自分も死ぬのだと感じていました。

    しかしある時、小さなベッドの下の狭いところに母親が寝ていて、
    医師の父親も何もできないけど毎日来てくれる。
    姉も何をするでもなくそこにいてくれて、
    つまり自分は生きることを求められている、と感じたそうです。

    どっちでも良いと思っていたけど、
    そこからは「生きなきゃいけない」と強く思うようになり、病気は徐々に回復したそうです。

    この体験は、特殊な話ではないと先生は続けます。
    今生きている人は全員必ず、誰かが愛を注いでくれた経験を持っているはずだそうです。
    そうして生きることを選択しているのだと。

    ほ乳類は、他人からの世話がなくては生きられない生物で、
    今いのちが存在しているだけでも、愛を体験している証となります。
    生きている間に些末なことが記憶に覆い被さって、
    忘れてしまっているかもしれないけれど、思い出してほしいと先生は言います。

    寺子屋


    会の時間がなくなってきたところで、
    レジュメの最後にある「臨死体験」と「体内記憶」の記載については駆け足のお話になりましたが、
    ここにはいろんな実例が書かれていました。

    特筆すべきものとして、エベン・アレグザンダーという
    脳神経外科医が臨死体験をした後に著述した本の中に(『プルーフ・オブ・ヘブン』早川書房)、
    痛烈に覚えていたメッセージが3つ書かれています。

    あなたは永遠に深く愛されています
    この世に怖れることなど何もありません
    あなたのすることにただ一つの間違いもありません

    この感覚、実はみんな子どもの時に知っていたのでは?と先生は言います。

    「世間に溢れるたくさんの情報の表層に惑わされずに、
     根本にはこれがあるということを覚えていたいものです。
     そしてここから、真善美を体現して生きていきたいと思います」。

    そんな言葉で、この日のお話は締めくくられました。


    次回の「寺子屋かぐれ Life vol.2」は、5月22日(金)18:00からです。
    vol.1に参加された方もできなかった方も、ふるってご参加いただけたら幸いです。

    募集は5月8日から、かぐれwebサイト、ブログ、SNSでお知らせする
    受付フォームにて始まりますので、お見逃しのないようお願いいたします。


    かぐれショップディレクター 渡辺敦子

    Posted at 15:55 | link

店名:表参道店
住所:東京都渋谷区神宮前4-25-12 MICO神宮前
TEL:03-5414-5737
営業時間:11:30〜20:00
定休日:不定休


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